Alternative Media Gathering

2024/09/29_Alternative Media Gathering_インフラ研究会 presents ブック・パーティ『アンチ・ジオポリティクス』

かねてオペライズモ研究会をはじめオルタナ企画、イタリア調査など多々ご協力いただいた北川さんの著書*をめぐって、ブック・パーティを開催することになりました! インフラ研究会による以下の呼びかけを共有しますので、ぜひご関心のあるみなさんご参集ください。

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日時:2024年09月29日(日)15:00-19:00
会場:remo / コーポ北加賀屋 (大阪市住之江区北加賀屋5-4-12)
参加:無料

*北川眞也『アンチ・ジオポリティクス: 資本と国家に抗う移動の地理学』青土社, 2024年3月.

 『アンチ・ジオポリティクス』が切り拓こうとするのは「地政学」への揺るぎなき「アンチ」であり、この「アンチ」に込められているのは移民や難民として名指されてきた民衆自身が、その移動と流動を通じて自律的に展開してきた数多の逃走=闘争の地理である。この地理に刻まれた場所や出来事の名前(そのほんのごく一部をあげるなら)地中海、ランペドゥーザ、パレスチナ、トリノ、NO TAV...... これらが喚起するのは、万博やオリンピックといったメガイベントにも貫かれた国家と資本の結託した暴力であり、また現代の統治と抵抗の賭け金としてのロジスティクスおよびインフラストラクチャーである。この巨大な書物を受け取った私たちは、逃走=闘争の地理を増殖させることで、大地に刻まれた別の地層を掘り起こしていこう。脱走兵、沖縄、プエルトリコ、釜ヶ崎、筑豊...... そうして、私たちは私たち自身の抵抗と生のための「インフラ」を編み出す。

第一部:書評会
 評 者:阿部小涼(琉球大学)/ 大野光明(滋賀県立大学)
 著 者:北川眞也(三重大学)

第二部:交流会
 登壇者:阿部小涼、大野光明、北川眞也、堀真悟、しろー 他

司会進行:原口剛(神戸大学)/ 大畑凜(大阪大学)

サイト管理者 2024年9月11日 | 固定リンク

Alternative Media Gathering

2024/05/02_Alternative Media Gathering_フィクションと芸術:破局の論理をうちくだく!

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地球生態系の破壊、民主主義の後退、ポピュリズムとナショナリズムの上昇、経済危機、パンデミック、大量失業、文化戦争、恐怖政治。ものごとが急速に、それも良くない方向へ変化してきた共通の感覚がある。まるで世界のすべてが私たちの手から崩れ落ちるか、出口のない巨大な迷宮に囚われたみたいだ。あたかも軸の折れた時間が逆走して未来を喪失したかのような、不気味な感触がある。まったくどうしたら良いものか、誰一人手がかりさえつかむことができない......

エンメディオ・コレクティブは芸術とフィクションの実践を通じて、ひとびとの生活といのちを危機にさらすこうした諸問題を語り合う道筋を、破局的現実に対して異なる見方をつかみ変化をもたらす契機を探求してきた。ここでは、現在エンメディオの一員であるレオから過去20年に及ぶその試みをご紹介いただき、今日わたしたちの直面するグローバルな課題に取り組む「ユーモア」あふれる芸術その他フィクションの技術力をともに議論したい。

日時:2024年5月2日(木)
会場:remo / コーポ北加賀屋 (大阪市住之江区北加賀屋5-4-12)
参加:無料
時間:18:30-21:00

ゲスト:レオニダス・マルティン / Leonidas Martin
バルセロナ大学教授。アート・アクティヴィズムにおける集合的表現を専門として都市空間における数々のプロジェクトを仕掛けてきたことで国際的に評価される。新世界フェスティバルゲート時代の 2004年 聴衆を沸かせた Las Agencias (2001-2003) や Yomango (2003-2007) 北加賀屋では恐慌下金融支配に反撃する Enmedio(2007-)の試みを紹介した 2014年 以来、10年ごと3回目の来日となる。

REMO DESK 2024年4月26日 | 固定リンク

お知らせ

2024/01/08_Jazz Faves 1-4_ フィル・ニブロック追悼

2024年1月8日、一貫した方法論をもって透徹した表現を追究するニューヨーク Experimental Intermedia フィル・ニブロック(1933-2024)が亡くなり、即日その訃報は世界を駆け巡りました。

remo ではレジデンス事業で2009年11月2010年2月に大阪へ招聘し、代表作「The Movement of People Working」シリーズの新編を制作しました。住之江区北加賀屋の工場、浪速区の木津市場で撮影されたこの作品は「Remo Osaka」と題して、2013年にフランスで出版された『Working Title』付属の2枚組DVDセットにも収録されています。

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*『北加賀屋レポート』近代化産業遺産(名村造船所大阪工場跡地)を未来に活かす地域活性化実行委員会(2010年3月)より来阪時の様子

1973年にはじまるこのシリーズは、1980年代の漁村(岩手県大船渡市三陸町の越喜来湾)を含め世界各地で黙々と働く人々の所作を記録した25時間以上の稀有な大作となりました。この制作経験を共有できたことは remo の誇りとなっています。フィルと Experimental Intermedia 関係者のみなさまには、あらためて大きな感謝を申し上げます。来日の機会ある毎にたいへん思い出深い希少な経験を、本当に有難うございました。

フィルは1958年にニューヨークで前衛美術に出会い、1960年代には名だたるジャズ・ミュージシャンの演奏中を写真撮影して名を上げたそうです。大阪でも長時間に及ぶ編集作業中ずっとお気に入りのジャズを聴かせてくれました。フィルの Jazz Faves 1-4 計51曲のプレイリストがのこされています。ここに感謝と追悼の意を表して、みなさまと分かち合えたらと思います。
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サイト管理者 2024年1月11日 | 固定リンク