トーク/レクチャー

2015/03/22 「3がつ11にちをわすれないためにセンター」とは何か? 〜市民協働アーカイブの可能性

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東日本大震災による影響にともに向き合い考えるため、せんだいメディアテークに開設された「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(わすれン!)。市民や専門家、スタッフが協働し、復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくプラットフォームとなるこのセンターでは、映像、写真、音声、テキストなどさまざまなメディアの活用を通じて、情報共有や復興推進に努めるとともに、収録されたデータを「震災の記録・市民協働アーカイブ」として記録保存しています。また、センターでは「スタジオ」や「放送局」といったメディア制作環境が整備され、市民自らが発信者となり、メディアを通じた支援活動の応援、震災の記憶の蓄積に関与することができます。さらに、収集された記録を活用し、展覧会「記録と想起・イメージの家を歩く」(2015年1月終了)なども実施されました。そして今もなお、記録の収集とアーカイブに関する多様な活動が行われています。
今回、NPO remoでは「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の運営に深く携わる、せんだいメディアテークのスタッフ(北野央さん、清水チナツさん)をお呼びし、その動向の具体的な姿についてお話しいただきます。また、remoが参加した「ホームムービーと火」(みんなのフェスティバル/神戸市長田区/2014)や、青森市所蔵作品展「歴史の構築は無名のものたちの記憶に捧げられる」(国際芸術センター青森/2015年3月終了)の報告もあわせて実施し、市民協働アーカイブを巡る可能性とその課題、歴史の記録とメディア、私たちにとってのアーカイブの意味などについて、参加されたみなさんとともに、時間の許す限り語りあいたいと考えています。

日時:2015年3月22日(日)13:00-16:00

場所:コーポ北加賀屋 2F
参加無料

プログラム


1「3がつ11にちをわすれないためにセンター」
  
 報告:北野央 + 清水チナツ(せんだいメディアテーク)

2「ホームムービーと火」
 報告:AHA!(NPO remo)+ ちっちゃい火を囲む(久保田美生、米田千佐子)

3「歴史の構築は無名のものたちの記憶に捧げられる」
   
報告:藤井光(美術家・映画監督) + 服部浩之(青森公立大学国際芸術センター青森 [ACAC]学芸員)*藤井氏はSkypeでの参加となります

4 みんなでディスカッション

トーカー

北野 央(きたの・ひさし)

1980年北海道札幌市生まれ。せんだいメディアテーク職員。2001年から仙台の大学で建築を学びながら、公共施設などでワークショップなどを行う。2008年大学院生の時に、読まなくなった絵本の交換会「絵本バンク」の活動をスタート。2011年から現職。メディアテークでは、おもに東日本大震災の市民協働アーカイブ「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を担当し、「レコーディング イン プログレス−3がつ11にちをわすれないためにセンター活動報告展-」(2015年)を開催。震災を含む地域文化の記録活動のサポートと記録の利活用の場づくりに励む。

清水チナツ

1983年福岡県北九州生まれ。せんだいメディアテーク学芸員。大学卒業後、NPO法人Art Institute Kitakyushuに所属し、地元作家の展覧会の企画運営を行う。その後、インディペンデントキュレーター遠藤水城とともにインドネシアのアートシーン調査、CREAMヨコハマ国際映像祭アシスタントキュレーター、東京・神保町「路地と人」運営メンバーを経て、現職。メディアテークでは、市民(在野の学習者)とともに展覧会企画制作/メディアセンター運営/フリーペーパーや書籍の編集/対話の場づくり/伝承民話の記録活動にとりくんでいる。NPO remoメンバー。

AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
パーソナルな記録に潜在する潜在的な価値に着目し、それらの収集・公開・保存・活用をめざす試み。「想起」という行為を媒介とした場づくりに取り組んでいる。remoの事業の一つとして、2005年に始動。アーティスト、デザイナー、研究者など、様々なバックグラウンドをもったメンバーによって運営されており、取り組みごとに現地の協働者とチーム編成を流動的に行いながら展開している。

ちっちゃい火を囲むプロジェクト(ちび火)
公共空間で焚き火を行なう活動。2008年大阪大学で開始。肩書きや身分、所属によって分断された大学の現状に対する違和感に端を発し有志で始める。現在は全国のアートプロジェクト等でも実施。焚き火の場ではゆるやかに様々な人が居合わせ、かつ思い思いに過ごすことで、個々人の身振りや語りがあらわれると考えている。

藤井光

美術家/映像監督。パリ第8大学美学・芸術第三博士課程DEA卒。2005年帰国以降、現代日本の社会政治状況を映像メディアを用いて直截的に扱う表現活動を行う。3.11以降の被災地で災害と芸術の関わりをテーマに各地で撮影を続けている。NPO remoメンバー。

服部浩之
1978 年愛知県生まれ。早稲田大学大学院修了(建築学)。2009年より青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]学芸員。あいちトリエンナーレ2016キュレーターとしても活動中。つねに「オルタナティブなあり方」を意識の根底に据え、MACという略称を持つアートスペースを山口、ハノイ、青森などで展開している。近年の企画に、再考現学(国際芸術センター青森他|2011-2012年)、十和田奥入瀬芸術祭(十和田市現代美術館、奥入瀬地域|2013年) 、「MEDIA/ART KITCHEN」(ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、バンコク、青森|2013年-2014年)などがある。

主催:NPO remo
協力:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)

REMO DESK 2015年03月11日

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